個人事業主の「手元に残るお金」と「節税策」-その2

前回 は「所得税の計算」の方法と「手元に残るお金」のイメージを書いてみました。

今回は「実際に仮の金額を設定した試算」をやってみようと思います。

まずは「個人事業主のモデル」と「設定」の決め

「試算」と言っても、具体的な「象」を決めないと計算がやりにくいので「今回の個人事業主のモデル」を決めようと思います。

「職業プログラマーで食ってる個人事業主」としましょう。

フリーランスプログラマーで年収1000万!」…と言いたいのですが「消費税事業者になると計算がまた増える」ので、ギリギリ行かない人にします。(笑)

また、基本的に「2年分の実績が必要」なので「2年間同じ売上と費用」という前提とします。

費用は「100万」にしてみますが…プログラマとしては高いでしょうか安いでしょうか。(PCとか新調しますからねぇ)

条件

  • 個人事業主・独身
  • プログラムをする対価で報酬を得ている
  • 売上は9,999,000円(一千万未満)
  • 経費は1,000,000円
  • 二年連続して同じ売上、同じ費用
  • 控除対象となる「公的な仕組み(共済等)」は何も利用していない
  • 年間医療費は10万円を越えない
  • 民間保険に入ってない
  • 寄付とかしない
  • 確定申告は「青色申告」で行っている
  • 確定申告はe-tax(電子申告)で行っている

実際の試算

まず「所得税」を計算した後、それらコミコミの「手元に残るお金」を計算します。

所得税の計算

前回の「所得税額」算出の説明 の通りに、実際の値を当てはめて計算していきます。

f:id:kamiumiusi:20210917033031p:plain
仮想個人事業主所得税額計算

…われながら「なんだこれ」な表ですね。センス皆無で見難い表ですがお付き合い下さい。

「所得」の計算

まず「売上」から「費用」を引いて「所得」を計算します。

その際「確定申告を”青色申告”で行ってる」場合は「青色申告特別控除」が受けられるので、その額 65万円 を引きます。

「課税される所得」計算

「所得」が出たら「各種控除」を引いて「課税される所得」を計算します。

諸々の条件で「公的保険・年金しか入ってない」ので、

の額だけが控除対象となります。

国民健康保険」は「前年の内容」で決まるのですが…これがめちゃくちゃややこしい!のでちょっと説明できません。

面倒くさいので「だいたい」つーことで、東京江戸川区の国民健康保険料シミュレーション ページでそれっぽい値を入れて計算しました。

余裕で上限の 99万円 に達しました。

国民年金」は「全国民一律」なので 令和3年の1年前納の金額 を計算に使いました。

所得税額」計算

「課税される所得」が 6,683,860円 だったので、 国税庁の定義表 に照らすと…

  • 3,300,000円 から 6,949,000円まで

のレンジに収まり、

  • 税率: 20%
  • 控除額: 427,500円

となるため、掛けて引きます。

ただし 前回 書いてない事として「復興特別所得税」があります。

これは「東日本大震災からの復興」のため、2013〜2037年の25年間徴収される税です。

計算した「所得税額」の2.1%を、更に税額として足します。

これで

所得税額(復興特別所得税含む) : 928,366円

という試算結果となりました。

「手元に残るお金」の計算

それでは先程算出した「所得税額」も踏まえ、どれくらい手元に残るか計算してみましょう。

f:id:kamiumiusi:20210917041522p:plain
仮想個人事業主の手元に残るお金

これまた「クソなんだこれ!」の表ではありますが…左が収入、右が支出、真ん中が残高です。

先程、税額の計算で使った「国民健康保険」や「国民年金」は、実際強制的に取られてるお金かつ払ったものなので純粋に支出です。

所得税」は「翌年の3月に払う」ので「その年の支出」とすると色々おかしいですが、そこは「この年のものに対する支出」として引き算します。

手元に残るお金 : 6,885,494円

という試算結果となりました。

…あれ「手元に残る金なんざ微々たるもんだ!」って話にするつもりだったのですが、結構残りますね。

ともあれ「強制的に取られる公的保険・税金の時点で200万強(売上の二割以上)」というのは、かなりの痛手です。

また、今回は簡単にするため省きましたが、売上1,000万を超えると「消費税」の納付が待っています。

令和5年からは「1000万越えない個人事業主でも消費税課税事業者にらざるを得ない」仕組み(インボイス制度)が待ってるので、ここからさらに売上の5〜10%ほど税で持ってかれることになるでしょう。

税金を「コントロール出来る」パーツは…

所得税額を決定するパーツとして「売上」「費用」「控除」があります。

ただ「売上」は「とある年だけ制御して高くor低く」などは難しいです。

「費用」に関しては年ごとに制御可能ですが…「どうせ税金で取られるんだ!費用で使え」はただの目減りですし「費用を抑えて売上を大きくしよう」とやっても「税額が大きくなる」上「仕事の効率に影響する」可能性もあり、難しいものがあります。

そこで浮上してくるのが「控除」です。最もコントロールが出来て税金に効くモノとなるでしょう。

次回 は「控除」についてお話します。

勢い込んで「やってみた!」ものの

自身の実体験から無理やり「試算」してみましたが…ちょっと「本当にこれで正しいのか」不安になってきました。

上の説明は「雑に書いてる」上に「間違ってる可能性」があるので、ご指摘ある方はコメントを下さいね。

本日の資産

f:id:kamiumiusi:20210919000238p:plain
2021/09/19 の資産

-17,925 ですね。今日も下がってます。(支出は計上されてないのに)

仮想通貨は昼間「お、好調だな!」と確認した記憶があったのですが…。

  • WealthNavi: -35,196

お、ほぼこいつですね。一日で1%近い値動き…割とだなぁ。

一日レベルの値動きなんかに「一喜一憂する」のは良くなくて、一週間ぶんくらいの値動きでモノを考えないといけない、とは思うのですが…ともあれ「一日程度の時制も把握はしとかなければならない」のも真なわけで。

見るが「情報として受け取る」だけで「心は動かさない」とか…難しいことですよ。