個人事業主の「手元に残るお金」と「節税策」-その3

その1 では「所得税の計算プロセス」を観てみました。

その2 では、それを使って「実際の例の試算」をしてみました。

そして、前回「最もコントロール出来て税金に効くモノは”控除”」と紹介しました。

今回はそれを説明したいと思います。

「控除」ってなんだろう

ここで言う「控除」正式には「所得控除」は、費用と同じく「所得を下げることが出来るモノ」です。

「所得(課税される所得)」が減ると「所得税額」が下がります。(「手元にあるお金」と「所得」は近しいけれど違います)(その1の記事 参照)

どのような種類があるかは 国税庁のページに定義が在ります

私的「控除の分類」

※ここからは「税法的解釈」「会計的扱い」でもなんでもなく「僕の独自解釈」です。ご了承下さい。

上前述の「国税庁の定義」に加え、「僕が考える分類」は以下です。

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私的「所得控除の分類」

ここでは「コントロール出来る」という観点で書きます。

「払ったお金に対する控除」以外の2分類は「今年は節税のために結婚しよう!」とかじゃないので制御出来ないものと考えます。

なので「払ったお金に対する控除」なのですが「”強制的に取られるお金”への控除」は、文字通り「勝手に取られていく」ものです。

一番下の「”自分で選択的に払うお金”への控除」が「コントロール可能なもの」と言えそうです。

「”将来帰ってるお金”への控除」について

※ここからさらに「僕の独自解釈」となります。ご了承下さい。

さて、この「”自分で選択的に払うお金”への控除」(以下「選択的控除」)ですが、自分の意思で制御出来るとはいえ、本質的には「費用」と同じだと考えます。

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費用も控除も「払ったお金」である

「費用」も「選択的控除」も、結局は「払ったお金」であり、結局は「手元のお金の目減り」です。

いくら「所得税額を減らすぞ!」と「今年は費用や選択的控除の額を上げる!」と制御しても、手元に入るお金が例年より減る、という結果で意味は薄いです。


しかし「貯金」かのように「将来帰ってくるお金」ならどうでしょうか。

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「将来帰ってくるお金」への控除

一旦、お金は手元から消えますが、外部機関に保存されているだけで実質減っていない…つまり「課税される所得」が減り「所得税額」が減るけれど「自分のお金は減ってない」状態となる。

それが「”将来帰ってくるお金”の控除」である 小規模企業共済等掛け金控除 です。

「小規模企業共済等掛金控除」の対象

「共済」や「個人年金」が対象となります。

  1. 小規模企業共済 (中小機構)
  2. iDeCo(確定拠出年金) (国民年金基金連合会)
  3. 経営セーフティ共済 (中小機構)

意外と知られてないのが「経営セーフティ共済」でしょうか。

  • 本来「無担保で借り入れ」など「企業がピンチの時に救う制度」
  • 月額掛け金は5,000〜200,000円まで5,000円単位で設定可能
  • 毎月5日までに書類を出せば、掛け金の変更が可能
  • 総額800万の上限まで積み立てるか、解約でお金が戻る
  • 40ヶ月以上掛け金を納めていれば解約時全額戻る

という制度です。

「節税策」とよく言われるけれど

とはいえ、この 小規模企業共済等掛け金控除 対象の共済や個人年金、よく「節税策」として紹介されますが、僕は「所得税の支払いの先延ばし」だと認識しています。

なぜなら「取り出す時には”ただの所得”に戻る」からです。

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「小規模企業共済等掛金控除」しても出す時には「所得」

漫然と「預けたー!下ろしたー!」とやってしまうと、「元々の税額と一緒」になってしまいますし、出し方が悪い(例えば一括で大量出す等)と「元より高い税金」を払うハメになります。

なので「出し方の工夫」が必要です。

出来るものは退職金扱いにして「退職所得控除」を受けたり、「受け取りが少ない時期に小出しにする(年の所得を減らす)」などです。

どちらかというと、こういう「出口戦略」こそが「節税策」だと思うんですよね。

と、紹介する記事を書いたものの…

…かく言う僕も「アバウト〜にしか戦略練ってない」から、「得にできるか」はこれから策を考えるのですが。

機会が在れば、個々の共済や個人年金ついても、説明していきたいと思います。

本日の資産

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2021/09/20 の資産

-12,366 ですね。

全て仮想通貨の振れ幅です。

さて、そろそろ証券・銀行口座の開設完了報告が上がってきてるので、ぼちぼち準備も終わりが近いです。

そろそろ「具体的な投資」を決めていくフェイズ…ブログで実況していきたいと思います。